阪神百貨店梅田本店の「スナックパーク」は、2015年2月、改装に伴い閉鎖された。300円台のラーメン、オムライスなどが人気で、「立ち食いの聖地」とも呼ばれた=大阪市北区
大阪市北区の阪神百貨店梅田本店が6月1日、東隣で工事中の新ビルに移り新装開店する。建て替えに伴い営業をやめていた、名物の立ち食いフードコート「スナックパーク」も復活する。引っ越しのため、5月29~31日は休業する。
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エイチ・ツー・オーリテイリングが9日、発表した。新たな店は地下1階から地上9階で、売り場面積は約2万7千平方メートル。今の店の約8割に減る。
2015年2月に営業を終えていたスナックパークは、食品売り場を置く地下1階で復活し、13店が入る。1957年の百貨店の開店当時ごろ「おやつセンター」としてスタート。ラーメンやオムライスなど300~400円台のメニューを中心に提供し、「立ち食いの聖地」とも呼ばれ、親しまれていた。
梅田本店は、売り上げに占める食品の割合をいまの約45%から50%以上に引き上げる考え。小森栄司・阪神梅田本店長は「日常の豊かさを重視する人が増えている。『食の阪神』に対する期待感を高めていく」と話した。「非日常」を重視している、同じエイチ・ツー・オー傘下の阪急百貨店と、戦略の違いを明確にする狙いだ。
新ビルは、06年に誕生した阪急阪神ホールディングスが、阪急と阪神の二つのビルを一体で再開発する事業の一環。今後、いまの梅田本店が入るビルを解体し、百貨店やオフィスが入る複合ビルに建て替える。21年秋から順次開業する予定だ。同社は9日、新ビル名を「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」に決めたと発表した。(伊沢友之、久保田侑暉)