地下鉄仙台駅の改札前には、運転再開を待つ人たちの列ができた=18日午後6時20分ごろ、仙台市青葉区
18日午後5時15分ごろ、仙台市営地下鉄南北線の長町南駅(仙台市太白区)近くの変電所で停電が起き、南北線は全線で運転を見合わせた。市交通局は午後6時半ごろ、同日中の復旧は困難と発表。夕方の帰宅ラッシュを直撃し、各駅は混乱する客でごった返した。
その後、南北線は同日午後11時半ごろ、運転を再開した。19日は始発から通常通り運行する見通し。
交通局によると、長町南―富沢間で列車1編成が一時止まったが、富沢駅まで動かして乗客約70人を降ろした。けが人などの情報は入っていないという。
南北線には4カ所に変電所があり、八乙女駅と愛宕橋駅近くの変電所でも停電が起きた。長町南と愛宕橋の変電所は午後7時50分までに復旧したという。停電の原因はわかっていない。
また仙台市消防局によると、八乙女―黒松間で電気が流れる架線が焦げているのがみつかった。
地下鉄仙台駅の改札前では午後6時過ぎ、電光掲示板に「緊急案内中」と表示され、運転再開を待つ人たちが長い列を作った。構内では「停電のため全線で運転を見合わせています」と繰り返しアナウンスが流れた。同6時半ごろ、駅員が「本日中の運転再開はできません」とアナウンスすると、乗客が問い合わせに押し寄せた。
八乙女駅に向かうつもりだった仙台市泉区の会社員男性(54)は「こんなに人が並ぶのは7年前の震災の朝以来」。黒松駅へ行く大崎市の農業田内伸子さん(65)は、「慣れていない土地なので困る。バスで行けるのかしら」と、心配そうに駅員に尋ねていた。
八乙女駅では午後7時半過ぎ、駅員が「本日中の運転再開は難しい」「バスやタクシーを利用してください」と呼びかけた。
駅を訪れた人々は、携帯電話で連絡を取ったり、走ってバスの列に並んだりしていた。帰宅途中の仙台市宮城野区の会社員、山田真由さん(18)は「消防車がたくさん来て驚いた。何があったんだろう」と困惑していた。