自民党竹下派をめぐる内外情勢
自民党の額賀派(55人)は19日の総会で、竹下亘(わたる)総務会長を新しい会長に決めた。兄の登・元首相が率いた「竹下派」の名称が四半世紀ぶりに復活。伝統ある名門派閥は、かつてのような「数の力」ではなく、秋の総裁選に向けて旗幟(きし)を鮮明にしないことで存在感を高める戦略を描く。
自民額賀派、分裂含み 「ポスト安倍」候補も動き活発に
竹下氏は総会で「9月には総裁選、来年夏には参院選。結束して、成果をあげていかなければならない」とあいさつした。この日、茂木敏充・経済再生相が会長代行に就任。派閥会長の交代を主導した吉田博美・党参院幹事長も会長代行に据えたい考えを示した。
竹下派は党内第3派閥で、自民党総裁選では動向が注目される。当面の総裁候補はおらず、最大派閥だったかつてのようにキングメーカーにもなれない。前任の額賀福志郎・元財務相は、安倍晋三首相の総裁3選支持を鮮明にしていたが、竹下氏は態度を決めていない。
会長に内定した直後の3月28日の講演では、当面の首相支持を示しつつ、「一番政策的に近いのは岸田派」と岸田文雄政調会長を総裁選で支援する可能性に言及。かつて額賀派で一緒だった石破茂・元幹事長の支援にも「ないとは言えないが、あるという状況ではない」と含みを残した。
その翌日。吉田氏は竹下氏に苦言を呈した。
「あなたは党三役だ。安倍総裁を支えるのが役割でしょ。総裁選のことは今、『真っ白だ』と言え」
態度を明確にしないことで、存在感を高めようという狙いだ。
竹下氏は最近の講演で、次の総…