立憲民主党など野党6党は麻生太郎財務相の辞任要求などに与党が応じなかったとして、20日午前に開かれた衆院の内閣委員会と厚生労働委員会を欠席した。衆院環境委は立憲などの出席が見込めないとして開催自体を取りやめた。内閣委と厚労委の質疑は与党と日本維新の会の出席で行われており、国会は不正常な状態になった。
野党「首相が『膿の親』だ」 国会空転、長期化辞さず
野党6党は20日に予定されている衆院予算委などの理事懇談会も欠席する構えだ。理事懇談会では今後の議事日程などを話し合うが、野党6党は新たな日程の協議には応じないとしており、国会が正常化する見通しは立っていない。
一方、与党側は23日に予定していた衆参両院の予算委の開催を見送ることを決めた。当初は安倍晋三首相が出席する集中審議を行い、訪米の成果などについて質疑する考えで、野党6党が出席しなくても、委員長が職権で開催を決めることも視野に入れていた。20日に対応を協議した結果、野党が出席しない見通しのため一転、開催を見送ることを決めた。
立憲の福山哲郎幹事長は20日午前の会合で、麻生氏について「進退をご判断いただく時期ではないか」と辞任を求めた。「国会審議に入れるような状況ではない」とし、野党6党の要求に応えるよう訴えた。
菅義偉官房長官は20日午前の記者会見で、今後の国会対応について「政府としては、国会の求めには真摯(しんし)に対応し、丁寧に説明する努力を尽くしていきたい」と述べた。麻生氏の辞任要求には応じないという方針に変わりないかと問われると、「変わりありません」と明言。「財務省の陣頭に立って信頼回復に努めていただきたい」と語った。