山梨県アーチェリー協会の男性主任強化コーチが、指導する複数の高校生たちに対してセクハラ・パワハラ行為をしたとして、県協会から、4月1日からの2年間の指導停止処分を受けたことがわかった。
山梨県協会などによると、甲府市の3校の男女アーチェリー部が市内の洋弓場に集まって行う練習で、元コーチが女子生徒の体に触れたり、競技ルールに関わる指導で、特定の生徒に「くず」という言葉を交えて威圧的とも受け取られる言葉を発していたりした。
また、必要以上に通信アプリ「LINE(ライン)」のメッセージを送ったことも、処分理由となった。各校は、生徒同士がLINEのやりとりができる時刻を制限しているが、元コーチは練習に関する連絡で、それより遅い時間にLINEを再三送った。複数の生徒から部の顧問を通じて、セクハラ・パワハラの訴えがあったという。
元コーチは朝日新聞の取材に「フォームをつくるのに、女子生徒の腰をさわった。本人の承諾をとったつもりだったが、そうは思われていなかったということ。本人がショックを受けているという事実があり、処分を受け入れた。自分の指導力が足りなかった。その他のことについても熱心になりすぎた」と語った。
全日本アーチェリー連盟も事実を把握している。山梨県協会の吉成謙・理事長は「指導上の言動は生徒がどう受け取るかに注意しないといけない」と話した。(編集委員・中小路徹)