今年の中国大学統一入学試験(通称「高考」)で、湖南省慈利県三官寺土家(トゥチャ)族郷の双子の兄弟・趙■君(■はのぎへんに果)と趙棣君が687点と685点(750満点)を取り、中国最高峰の清華大学と北京大学に合格した。紅網が公式微信(Wechat)アカウントで報じた。
「優等生双子」、「貧困家庭の学生」などのキーワードが話題となり、慈利県の人々は■君と棣君の合格に湧き立った。
■君と棣君を訪ねると、ちょうど勉強部屋で高校3年生の時に勉強したことを復習しているところだった。その部屋の壁4面には、高校の教科書や参考書がぎっしりと並べられていた。
弟の棣君は、「高校3年生の時に勉強したことをしっかりと頭に入れておきたい。そうすれば、大学に入ってもっと難しい知識を学ぶ時に困らなくて済み、授業についていけるだろう」と話す。
棣君は、「僕が崇拝している人は兄」と話し、二人そろって勉強が「趣味」という。
高考で高得点をたたき出すことができたのは、生まれつき頭がいいだけでなく、二人ともたゆまない努力をしてきたからだ。
兄の■君は、「知識のポイントを1冊のノートにまとめておけば、時間のある時にそれを見るだけでいい。どこに何が書いてあるかを探す時間を節約できるし、見る時の効率もいい」と勉強の秘訣を話す。
電子機器をあまり使わず、スマホも使わず、オンラインゲームもしないというのも、二人が効率よく勉強するための秘訣だ。
勉強のほかにはあまり趣味はないという二人にとって、唯一の気晴らしとストレス解消の方法は、短い余暇の時間にする卓球だという。
息子の大学合格通知書を受け取った父親の趙忠其さんは、満面の笑みを浮かべた。
趙さんは取材に対して、「山奥に住む子供たちが自分の運命を変える方法はただ一つ、『勉強をする』ことで、それ以外にはない。二人とも、高校に入学したばかりの時は、しょっちゅう電話してきて、『プレッシャーが大きい、宿題が終わらない』と言っていた。その時は、『頑張れ。この3年は絶対に頑張りなさい。大変なのは今だけだから』と励ました」と話した。
3年間、趙さんは毎週週末になると、学校を訪ねて息子二人の話を聞き、子供がどんなことを考えているかを理解するようにした。ある時、大雪で道が封鎖され、バスもストップしてしまったため、趙さんは息子二人に会いに行くことができなってしまった。その時には先生に二人が教室で自習をしている様子が映った動画を送ってもらい、やっと安心したという。
■君と棣君は取材に対して、「お父さんが一緒にいてくれたことが、3年間の原動力になった。お父さんから勉強を教えてもらうことはできなかったけれど、どんな困難に直面し、行き詰った時でも、お父さんがいてくれたので、心強かった」と振り返る。
趙さんは、「今は私のプレッシャーは小さくなったが、息子たちのプレッシャーは大きくなった。もっと優秀な学生と競争しなければならないし、社会の期待も背負っているからだ。息子二人が学び続け、基礎をしっかり学んで、成果を挙げることを願っている。そして、社会や学校、家族の期待に応えてほしい」と語る。
9月になれば、■君と棣君は長い間憧れていた大学の門をくぐるために、北京へと旅立っていく。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年8月21日