豊洲市場(東京都江東区)への移転後の築地市場跡地(中央区)の活用策を考える都の「築地再開発検討会議」(座長=近藤誠一元文化庁長官)は21日、「大きな視点」と題した報告書を小池百合子知事に提出した。「新たな築地ブランドを創造し、人々が集う交流拠点」を打ち出した。都は今年度中に再開発の方針を定め、5年以内の着工を目指す。
検討会議は大学教授らで構成し、約8カ月議論。築地跡地について「舟運、道路、バス、地下鉄などの交通結節点を形成すべきだ」と提言。浜離宮恩賜(おんし)庭園や築地本願寺といった周辺の観光資源との連携、水辺や緑の活用を提案した。開発は段階的に進めるよう求めた。
小池氏は昨年6月、築地跡地について「食のテーマパーク」構想を提示したが、豊洲の集客施設の運営予定事業者が反発している。今回の報告書は食について「世界にも知られたブランドを生かせるよう後世に伝える工夫をすべきだ」とした。