スポーツ庁の鈴木大地長官=20日、羽田空港
アメリカンフットボールの悪質なタックル問題で、関西学院大の選手を負傷させた日大の選手が22日に記者会見を開き、監督やコーチからの指示があったと証言したことを受け、スポーツ庁の鈴木大地長官は「本当であれば、とてもあってはならないこと。私たちはどんな状態でも善悪を判断できる選手を育成しないといけない」と話した。
大学スポーツで一選手が会見を開くという異例の事態について、鈴木長官は「本来であればしかるべきところ(日大)が声を出していくべきだと思う」と日大の対応に釘を刺した。「指導者と選手のコミュニケーションのあり方をスポーツ界全体で考えないといけない。疑問をもったら話を聞き、言いたいことは主張する。そういうスポーツ界にしたい」とも述べた。
スポーツ庁は来春、全米大学体育協会(NCAA)をモデルにした大学スポーツの統括組織を創設する。鈴木長官は「競技横断的な統括組織を創設して、こうした問題に対処できるシステムを構築しないといけない。その場合、当事者と関係ない方が組織に入らないといけない」と語った。
また、22日の参院文教科学委員会では、蓮舫氏(立憲)がアメフトのタックル問題を取り上げた。
蓮舫氏は、日大の回答書とこの日会見した選手の証言との食い違いを疑問視。さらに内田正人・前監督が引き続き大学の常務理事を務めていることを問いただし、林芳正・文部科学相は「理事の任命については、寄付行為などに基づき、当該学校法人が判断すべきことが原則ですが、前提としてしっかりとした事実が解明されることが大事であると思う」と述べた。