記者会見の冒頭で、目を閉じる負傷選手の父・奥野康俊さん=2018年5月21日午後7時、大阪市中央区、金居達朗撮影
アメリカンフットボールの日本大と関西学院大の定期戦(6日、東京)で、日大の守備選手が関学大の選手に悪質なタックルをして負傷させた問題で、関学大の被害選手側が21日、大阪府警に被害届を提出。同日夜、大阪市内で被害選手の父親、奥野康俊さんの記者会見が始まった。冒頭で奥野さんは「息子は元気に練習復帰できる状態になりました。正直つらかったです。1プレー目で退場してビデオを見た時に本当に大丈夫だろうか、という気持ちだった」と涙声で語った。
特集:日大アメフト部違反行為
奥野さんと被害選手は兵庫県西宮市内で19日に日大の内田正人監督らから謝罪を受けた。そして内田監督は謝罪後に大阪(伊丹)空港などで取材に応じ、「全て私の責任です」と監督を辞任することを表明。しかし、奥野さんは記者会見で「加害者がなぜあそこまで追い込まれたのか。その1点をあちらの監督の会見で一言言ってほしかった」と話し、日大側の対応に不満を示した。また被害届を出した理由について「あちらのチームのそれぞれ皆さんが(調査に対して)正直にお答えいただいて、真相究明をしていただきたい」と説明した。
日大側は、反則行為を促す指示の有無など経緯や再発防止策は24日をめどに関学大に提出する再回答書にまとめるとしている。
反則行為があったのは、両校の51回目の定期戦。パスを投げ終えて無防備な関学大の選手に対し、日大の守備選手が背後から激しくタックルした。関学大の選手は全治3週間のけが。日大の選手はさらに複数回の反則行為を続けて退場になった。一連のプレーに対して関学大は抗議文を送付し、記者会見を開いて日大に誠意ある回答を求めていた。また反則行為の動画がSNSなどで拡散され、スポーツ庁長官が問題視するコメントを出した。