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愛する人残した1枚、伝える教訓 御嶽噴火遺族ら写真展

作者:佚名  来源:asahi.com   更新:2018-5-29 20:31:31  点击:  切换到繁體中文

 

写真・図版


亡くなった高木啓光さんが撮影した噴火直前の御嶽山山頂。緑色の帽子とパーカを着た男性(中央)が亡くなった野口泉水さん(2014年9月27日、山びこの会提供)


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死者・行方不明者63人を出した2014年の御嶽山(長野・岐阜県境)の噴火。今年9月で発生から4年を迎えるのを前に、被災者家族でつくる「山びこの会」が、29日から東京都目黒区で噴火当日の様子を伝える写真展を初めて開く。火山災害の恐ろしさを知ってもらい、教訓を忘れないでいてほしいと願う。


災害大国


2014年9月27日の1枚の写真。青空の下、山頂からの眺望を思い思いに楽しんでいる人たちが写っている。写真の中央、緑色の帽子とパーカを着た男性は長野県池田町の建設会社員だった野口泉水さん(当時59)だ。


この日初めて御嶽山に登り、噴石に当たって亡くなった。石に腰掛けてうつむいている様子を見て、妻の弘美さん(60)は「いい景色が撮れたから、きっと手元のカメラの画像を見ていたんだろう」と話す。「あんな災害が起こるなんて想像もできない景色」


写真を撮影したのは、亡くなった長野県南箕輪村の高木啓光(ひろみつ)さん(当時37)。県内の信用金庫に勤める傍ら、富士山など国内各地の山を登っていた。父の能成さん(70)は「買ったばかりのカメラを持って行っていた。うれしくてあちこち撮った1枚だったのだろう。息子が最後どこにいたのか、様子を知ることができた数少ない手がかりだ」と話す。


この後の午前11時52分、山頂の景色は急変した。


入道雲のような噴煙を見て下山する人。その場で立ち尽くす人。山頂付近の「八丁ダルミ」から撮影された1枚は、長野県東御市の団体職員だった伊藤保男さん(当時54)が亡くなる間際に撮ったものだ。


噴火から4日後、保男さんの遺体とともに見つかったカメラを、妻のひろ美さん(56)が保管していた。


ひろ美さんによると、写真は3連写した画像のうちの1枚で、最後の1枚は真っ黒な画像だった。「家族に伝えたくて最後までシャッターを切っていたのだと思う。夫の死を無駄にしたくなくて、写真展に出すことにした」


山びこの会は2015年4月に発足。この約3年は、いまだ行方不明の5人の登山者の再捜索を地元自治体に働きかけたり、年1回の慰霊登山を実施したりしてきた。


一方、時の経過とともに「世の中から噴火災害の記憶が薄れ、忘れ去られていっている」「なぜ大事な家族が命を落としたのか、その教訓を生かしてほしい」という思いが会の中で積もっていたという。


被災した人たちが撮影した写真に、捜索活動のうち発災直後から20日間の様子を伝える写真を加え、計50点が展示される予定だ。会の事務局代表、シャーロック英子さんは「この災害を少しでも多くの方に知って頂くために足を運んでもらえるとうれしい」と話す。


会場は、東京都目黒区目黒の目黒区美術館区民ギャラリー。6月3日まで。開館は午前10時から午後6時(29日は午後1時開館、最終日は午後4時閉館)まで。入場無料。


山びこの会は、御嶽山の噴火災害の慰霊や伝えていく活動のため寄付を呼びかけている。振込先は、ゆうちょ銀行「普通口座 0699178」。(古庄暢)




 

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