安倍晋三首相の答弁パターン
森友・加計(かけ)学園をめぐる新たな文書の公表後、初めての集中審議が28日に衆参両院の予算委員会で行われた。安倍晋三首相は従来の答弁を変えず、質問に正面から答えない場面も。つじつまの合わない部分も残り、7時間にわたる質疑でも首相が言う「うみ」は出し切れなかった。
【国会詳報】学園を怒らぬ首相「愛媛文書は伝聞の伝聞」
【特集】森友学園問題
【特集】加計学園問題
加計学園の獣医学部新設をめぐる追及には、焦点をはぐらかす姿勢が目立つ。
愛媛県が21日に国会へ提出した文書には、加計学園の報告として2015年2月に首相が加計孝太郎理事長と面会したと記載されている。立憲民主党の福山哲郎幹事長が事実関係をただすと、首相は「その場に愛媛県がいたわけではない。伝聞の伝聞だ」と主張。新聞に掲載された「首相動静」に加計氏の名前がないことを根拠に面会を否定した。
加計学園は26日、「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまった」とするコメントを出した。これも首相は根拠の一つとしている。福山氏から「(うその情報を伝えた)加計学園に抗議しなかったのか?」と問われると、首相は「抗議をすることについては、そもそもその理由がない」と答弁した。
だが、この加計学園の説明と愛媛県の文書には矛盾もある。共産党の小池晃書記局長がその点を突いた。
愛媛県の文書では、2015年2月に愛媛県今治市が県に対し、学園関係者が加藤勝信内閣官房副長官(当時)と面会したことを報告し、「理事長が安倍総理と面談する動きもある」と伝えたとしている。加藤氏は学園関係者との面会を認めており、小池氏は「架空のことを予告するのか」と疑問をぶつけた。
15年2月の首相と加計氏の面会を受け、当時の柳瀬唯夫首相秘書官が資料の提出を学園側に指示し、3月24日に柳瀬氏が官邸で学園関係者と協議したという記述もある。小池氏は「首相と理事長の面談が架空のものだとすると、説明のつかないことが多すぎる」と指摘し、首相にこう迫った。
「みんなで総理をかばうために無理な話をさせるのはやめようじゃないか」
これに対し、首相は「柳瀬秘書官から私に相談することは全くない」などと、従来の主張を繰り返すばかりだった。(星野典久)
小池晃氏「すり替えて、まともに答えようとしない」
「これが今話題の『ご飯論法』ってやつですよ。すり替えて、まともに答えようとしない」。小池晃氏は首相の答弁をこう評した。
「ご飯論法」のもとは法政大の…