積算の対象範囲
森友学園への国有地売却で、値引きの根拠となるごみの撤去費を積算していた大阪航空局に対し、近畿財務局がごみの撤去対象範囲を広げるよう提案し、その後、見積額が約1億5千万円増えていたことがわかった。財務省と国土交通省が28日の衆院予算委員会で明らかにした。財務局からの働きかけで値引き額が増額された結果、売却価格は学園側の要望の範囲内に収まった形だ。
特集:森友学園問題
朝日新聞は今年4月、近畿財務局が2016年当時、大阪航空局にごみの積算量を増やすよう依頼した、との記事を掲載。値引き額を約8億円とすることが前提だった疑いがある、とも報じた。この報道を受けて両省が調査していた。
予算委での太田充理財局長と蝦名邦晴航空局長の説明によると、近畿財務局は16年4月12日、大阪航空局に撤去費の見積もり状況について説明を求めた。大阪航空局が見積もり方法と約6億7千万円という金額を伝えたところ、近畿財務局は「ごみがある部分を計算しないでいいのか」として、ごみの撤去が必要な土地の対象範囲を校舎の用地や周辺だけでなく、グラウンドの一部にも広げるよう提案したという。
これを受け、大阪航空局は対象範囲を拡大し、2日後の14日、撤去費用を約8億2千万円とする見積もりを近畿財務局に提出した。
太田局長は近畿財務局からの増額の提案を認めたうえで、「8億2千万円という積算は、最終的に大阪航空局が判断した」と説明。蝦名局長は6億7千万円の見積もりを「あくまでたたき台」だったとし、「検証可能な材料に基づいて見積もり範囲を設定した」と強調した。
ただ、約8億円の値引きが前提…