来年夏の参院選に向け、労働組合の中央組織である連合傘下の産業別労組(産別)による候補者擁立の動きが本格化してきた。連合が長く支持してきた民進党の分裂に伴い、擁立先は立憲民主党と国民民主党に二分し、組合員には混乱が広がっている。
繊維や流通などの労組でつくり、連合傘下最大の産別のUAゼンセンは6日、参院選比例区に職員の田村麻美氏(42)を国民から立候補させると発表した。連合傘下の49産別で組織内候補を出すのは10産別。うち5産別が国民から出すが、明確に擁立を打ち出したのはゼンセンが初めてだ。
朝日新聞の5月19、20日実施の世論調査で、国民の政党支持率は1%。ゼンセンの松浦昭彦会長は会見で「まだ幸いにして時間がある。いま参院選直前だったら本当に大変」と話した。
立憲から立候補を予定する5産別の動きは加速している。自治労や日教組、私鉄総連は年明け以降に擁立を決め、JP労組も今月中旬に正式決定する。立憲の政党支持率は9%と野党では群を抜く。立憲からの擁立を決めた産別の幹部は「現状の支持率を維持できれば、5人の当選は堅い」と自信を見せる。
民進が分裂して迎えた昨年秋の…