トランプ米大統領(右)との首脳会談に臨む安倍晋三首相=7日午後0時13分、ワシントンのホワイトハウス、岩下毅撮影
安倍晋三首相は訪問先の米ワシントンで7日昼(日本時間8日未明)、トランプ米大統領と会談し、12日の米朝首脳会談に向けた最終協議を行った。これに先立つ6日午後(同7日午前)には、河野太郎外相がポンペオ米国務長官と会談し、北朝鮮の非核化などが達成されるまで経済制裁を続ける方針を確認した。
北朝鮮に対する姿勢について、「最大限の圧力」を重視する安倍首相と「私はこれ以上『最大限の圧力』という言葉を使わない」とするトランプ氏との間で温度差がうまれており、首脳会談は連携を確認するのが狙い。安倍首相は北朝鮮に拉致問題を提起してもらうよう、トランプ氏に改めて要請する考えだ。
トランプ氏は7日午前、ツイッターで「正午に友人の安倍晋三首相と会うことを楽しみにしている。北朝鮮と貿易について協議する」と語った。
日本の外務省によると、外相会談では、北朝鮮の非核化などが達成されるまで国連安全保障理事会決議に基づく経済制裁を続ける方針や、拉致問題の解決に向けて日米で協力することを確認。米朝首脳会談の後、日米の外相が再び会談することも申し合わせた。日米韓で情報共有を図るため、3カ国の外相会談も調整する。
河野氏は日米外相会談の後、記者団に対して、「(北朝鮮の非核化などが達成されるまで)安保理決議に基づく経済制裁を国際社会で一致して履行していくことに何ら変わりはない」と強調。ただ、記者団に対する発言のなかで「圧力」という言葉は使わなかった。河野氏は7日の日米首脳会談にも同席する予定だ。
ワシントンでは、谷内正太郎・国家安全保障局長とボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)も会談した。日本政府によると、北朝鮮が完全で検証可能、不可逆的な方法ですべての大量破壊兵器とあらゆる弾道ミサイルの計画を放棄する必要があるとの認識を再確認したという。(ワシントン=清宮涼、田伏潤)