寝具専門店「日の本寝具」が敷布団に採用している、大手メーカー製の高反発素材=2018年5月24日、大阪市中央区、伊藤弘毅撮影
暑くて寝苦しい季節が近づくなか、「高反発」のマットレスや敷布団が人気です。高機能な素材を使い、深い眠りをもたらしてくれるそうです。自分に合った商品を探してみませんか。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
「高反発」に明確な定義はないものの、一般的には硬さを表す単位「ニュートン」が100以上の敷布団などを指す。反発力を生み出すために、特殊な形のウレタン素材を使ったり、化学繊維を編み込んだりしている。高反発の商品は重さを分散しやすい構造で、体への負荷が少ないとうたう商品も多い。
商品の販売が急激に伸びたのは、2012年ごろ。国際線のファーストクラスや高級ホテルのベッドに採用され、注目されるようになった。代表格のひとつ、エアウィーヴの売上高は、11年度から2年間で8倍に増えた。
1枚あたり数万円からと高価だが、眠りの「質」を求める人が増えたことで支持を広げた。既存のマットレスにかぶせるタイプの「マットレスパッド」も人気で、成熟市場とされた寝具を覚醒させた。
日常的に使うものだけに、自分に合ったものを選びたい――。大阪市にある寝具専門店「日の本寝具」の高谷和志社長は、こうした要望に対して「実際に寝てみることが一番大事だ」と強調する。深い眠りのためには、まるで立っている状態に近い、自然な姿勢を保てる布団を選ぶことだという。身長や体重などによって、自分に合う硬さや材質はかわってくるそうだ。
多くの商品は、売り場で実際に寝心地を試すことができる。ニトリは昨年から店内にこうしたコーナーを設け、いまや約300店舗まで増えた。エアウィーヴの店では、店員が睡眠健康指導士の専門資格を持つなどしていて、安眠に向けたアドバイスを受けられる。メーカーによっては、商品自体を短期間借りて試すことができる。(伊藤弘毅)
寝返り楽なパッドタイプ
エアウィーヴの「スマート035」は、布団やベッドマットレスに重ねて使う「マットレスパッド」タイプ。素材の厚さは3.5cmで、硬さは公表していない。細い繊維状の樹脂を編み込んだ構造のため、通気性がいい。反発力が高くて寝返りしやすい。本体価格は4万5千円。
1200の突起で体重分散
西川産業の「エアー01 マットレス HARD」は、敷布団でもベッドマットレスでも使える。厚さ8cmのウレタン製で、硬さは160ニュートン。表面にある約1200個の突起が、体重を分散してくれるという。汗や湿気を逃がす通気口が約70個ある。価格は3万8千円。
厚さ11センチ、折りたたみ可
マニフレックスの「メッシュ・ウィング」は、三つに折りたためるマットレス。敷布団やベッドマットレスとしても使える。独自開発した素材の厚さは11cmで、硬さは170ニュートン。通気性にも優れていて、メッシュ素材のカバーは取り外して洗える。本体価格は3万1350円。
1万円台、耐久性も十分
ニトリの「点で支える体圧分散敷布団」は、全店の敷布団シリーズで売り上げ1位を誇る。三つ折りにできるマットレス式。表面にある1530個の突起によって、体重が分散される。ウレタン素材の厚さは8・5cm、硬さは268ニュートン。耐久性もよく、価格は1万6574円。
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