トランプ米大統領は17日午前、米韓合同軍事演習の中止方針について、米朝首脳会談で北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長から求められたのではなく、「私の要請だった」とツイートした。米国内では演習中止に対して、「北朝鮮に譲歩した」との批判がある。主体的に中止を打ち出したと反論する狙いがあるようだ。
トランプ氏は、自身のツイッターに、「『戦争ゲーム』を(北朝鮮との)交渉中に中止することは、私の要請だった」と投稿。理由について、「(演習は)『とても高額』であるうえ、誠実な交渉をしている最中に悪い影響を与える。しかも、とても挑発的だ」と指摘。改めて中止する意向を強調した。
米韓軍事演習をめぐってトランプ氏は、12日の首脳会談後の記者会見で、「戦争ゲーム」と呼び、コスト面などを理由に中止を示唆。北朝鮮の朝鮮中央通信は13日、会談で正恩氏が中止を提起し、トランプ氏が「理解を示した」と伝えていた。中国・大連で5月上旬にあった中朝首脳会談で、中国の習近平(シーチンピン)国家主席が正恩氏に、中止を米国側に求めるよう促したことも明らかになっている。
トランプ氏の中止方針を受け、米政府は8月に予定される定例の米韓演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」の中止を検討している。(ワシントン=園田耕司)