女児が亡くなった寿栄小学校近くに設置された献花台で手を合わせる人たち=2018年6月19日午前10時7分、大阪府高槻市、川村直子撮影
大阪府北部を襲った地震で、4人が亡くなった現場にはそれぞれ多くの人が訪れ、死を悼んだ。
【タイムライン】大阪北部地震
高槻市立寿栄(じゅえい)小学校前。落下したプールのブロック塀に挟まれ、4年生の三宅璃奈(りな)さん(9)が亡くなった現場には献花台が設けられた。19日朝、孫2人と訪れた近くに住む男性(69)は「安全のために緑色に塗装された通学路が危険になるなんてあってはならない。こんなに悲しいことはない」と声を詰まらせた。三宅さんの同級生約20人も18日夜、保護者らと現場を訪れ、目を閉じて手を合わせた。
同市深沢町1丁目では、18日夕、坂勝枝さん(81)が自宅でタンスに挟まれた状態で死亡しているのが見つかった。20年ほど付き合いがあるという女性(74)によると、坂さんは若い頃に夫を亡くし、学校給食の調理員をしながら子どもを育てた。習字が得意で、手料理を振る舞ってくれる優しい人だった。「ずっと『長生きすんねん』と言っていたのに……」と声を震わせた。
大阪市立新庄小学校の児童の登校を見守る活動に行く途中だった安井実さん(80)が、塀の下敷きになって死亡した大阪市東淀川区の現場にも、花などが捧げられた。同小では19日午前に全校集会が開かれ、山本勝巳校長(54)が「皆のことを思って見守り活動をして、亡くなられた方がいるんだということを知ってほしい」と呼びかけ、児童らが黙禱(もくとう)を捧げた。この日は「夜寝られていない」「頭が痛い」などと欠席した児童が多いといい、山本校長は「子どもたちの心のケアはしていかないといけない」と話した。