運転再開のめどが立っていない大阪モノレール大阪空港駅=2018年6月19日午前6時54分、大阪府豊中市、國方萌乃撮影
大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震から一夜明けた大阪市北区のJR大阪駅には、いつも通りの朝のラッシュが戻った。
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神戸市東灘区の男性会社員(38)は、念のためにいつもより約1時間半早い午前6時半ごろの電車に乗った。「同じように考えた人も多かったのか、車内は割と混雑していた」
地震が発生した18日は通勤で使うJR線がストップ。バスで職場に向かったが、尼崎市までしか進めず出勤を諦めた。19日はトラブルなく大阪駅に到着し、「ゆっくりコーヒーでも飲めたらいいですが、昨日できなかった仕事を片付けます」と会社に向かった。
18日の地震で関西の主な鉄道各社は一時すべての運行を見合わせたが、JRの一部路線と大阪モノレールを除いて、いずれも18日夜までに復旧。19日はJR京都線の一部区間で3時間余り運転を見合わせるなどしたほかは、ほぼ正常通りのダイヤに戻った。
ただ、大阪空港と門真市などを結ぶ大阪モノレールでは全線で運行再開のめどがたっていない。
19日朝の大阪空港駅。アメリカから帰国した大阪府枚方市の主婦(38)は、モノレールで帰宅予定だったが、運休で急きょタクシーに乗った。大きなスーツケースを押しながら、「思わぬ出費になってしまった」とため息をついた。
モノレールを運営する大阪高速鉄道によると、復旧に時間がかかるのはモノレールの特性に理由がある。
地震の発生で緊急停車したモノレールは18台。乗客を避難させて安全確認を始めたが、レールの点検に使う作業車も同じレールを走るため、停車中のモノレールが障害になる。停車中のモノレールの区間まで点検が終わると、いったん作業車をバックさせ、モノレールも車庫に戻す。この繰り返しだという。
19日午前9時現在、18台のうち車庫に戻せたのは7台。担当者は「まだまだ時間がかかる」と話した。