後半、シュートを放つ大迫=長島一浩撮影
(19日、日本2―1コロンビア サッカー・ワールドカップ)
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【特集】2018ワールドカップ
キックオフから3分。その瞬間が来た。
「初戦の立ち上がり。一番最初のプレー。そこにすべてをかける」。FW大迫勇也(28)は、そんな覚悟を持っていた。
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後方から送られてきたロングボール。相手DFに体をぶつけ、そのバランスを崩した。はねるボールを追い、もつれながらも前へ出てシュート。このプレーが、香川真司(29)のPKの先制点につながった。
大迫はいう。「あそこで当たり負けないように、この4年間ドイツでやってきた」。前回のブラジル大会は2試合に先発したが、無得点。「何もできなかった」と悔いた。1―4で惨敗したコロンビア戦はベンチから見守った。ロシアでは、あのときと違う自分を見せる――。そう誓い、ドイツ1部リーグで屈強で大柄な相手とぶつかりあってきた。
理想の形で強豪コロンビアのリズムを狂わせ、接戦に持ち込んだ。後半28分、MF本田圭佑(32)が蹴ったコーナーキック。コロンビアのDFを体でブロックし、目いっぱい跳び上がり、頭に球を当てた。ボールは右ポストに当たり、ゴールに吸い込まれていった。
このプレーこそ、この試合に向けて何度も練習してきた。「非公開練習から一番得点になっていた。圭佑さんに感謝」。仲間の待つベンチへ走り出した。
「W杯で点を取るのは子どもの頃からの夢。素直にうれしい」。12歳で見た2002年日韓W杯で、日本の得点シーンに全国がわき上がった光景が目に焼き付いている。「自分のゴールで、日本を盛り上げたい」。2度目のW杯でその思いを現実にした。(藤木健)