定番料理を出す坂元萌衣子さん=2018年6月27日、東京都調布市、平山亜理撮影
サッカーW杯で、日本と対戦するポーランドに留学経験のある女性が、念願のポーランド料理の店「ポンチキヤ」を東京都調布市でオープンさせた。28日には店で客と試合を観戦する。
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店を開いたのは、坂元萌衣子(めいこ)さん(32)。京王線柴崎駅に近い店に、ポーランドの国旗が翻る。ポーランドのドーナツ「ポンチキ」を出すため、店名は「ポンチキヤ」。中にはバラジャムやチョコレートなどが入っている。
東京外国語大学でポーランド語を学び、1年弱ポーランドに留学。帰国して調理を学び、日本のポーランド料理店でも働いたが、閉店。いつか自分の店を持ちたいと、3年以上キッチンカーやネット販売、ケータリングでポンチキを売っていた。揚げたてを提供するため、自分の店を出したかった。開店は24日。「どうしてもW杯のポーランド戦に間に合わせたかった」
ポンチキのほか、スープやサンドイッチなど、ポーランドの定番料理がメニューに並ぶ。現地の冬は寒いので、濃厚な味付けの料理が多い。「見た目は地味だが、栄養があって家庭の味」という。好きなショパンなどポーランドの音楽を流す。
28日は、ポーランド人や日本人の客を集め、店で一緒に観戦する予定。ポーランドは決勝トーナメントに進めない。「みながっかりしているが、私としてはポーランドに勝ってほしい」と話す。
ネット販売の頃からの常連客で近くに住むポーランド人の医師ハシチウォヴィッチ・トマシュさん(47)は27日、店を訪れ、バラジャム入りのポンチキ15個を注文した。「ここは最高!やっと店ができてすごくうれしい。ポンチキはふわふわだ」と話す。
トマシュさんは、子どもの頃に祖母がポンチキを大量に作って、家族が1人10個近く食べ、動くのがつらくなったのを思い出す。今大会のポーランドの結果を「すごく残念。絶対に勝てると期待が高すぎた。28日も、日本が勝つと思う」と話す。坂元さんが、一緒に観戦しようと呼びかけると「ポーランドが負けると思うから、痛すぎる」。家でも観戦しないかも、と苦笑した。(平山亜理)