前半、先制ゴールを決めるアルゼンチンのメッシ⑩=ロイター
(サッカー・ワールドカップ)
決勝トーナメント(T)の幕開けは、過去に優勝経験がある強豪チーム同士の対決だ。W杯の常連で、1998年の自国開催を制したフランス(世界ランキング7位)と、78、86年に優勝したアルゼンチン(同5位)がぶつかる。
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ここまでの道のりは、対照的だ。
フランスは、C組で豪州に2―1、ペルーに1―0。2連勝で決勝T進出を決めた。最終のデンマーク戦は主力を温存。前の試合から先発6人を代えても引き分け、危なげなく1位通過を果たした。
一方、前回ブラジル大会で準優勝のアルゼンチンは、苦しんだ。初戦のアイスランド、2戦目のクロアチア戦と、いずれも頼みのFWメッシが不発。1敗1分けで1次リーグ敗退の危機もあった中、ナイジェリアに辛勝、D組2位に滑り込んだ。
ともに前の試合から中3日。フランスは、主力の多くが万全の状態で臨める。第2戦で得点を決めた19歳のFWエムバペら若いスター候補が多いメンバーは、98年に初優勝した当時のジダンやアンリを思わせる。前大会でベストヤングプレーヤー賞だった25歳のMFポグバに今大会初ゴールが出れば、さらに勢いは加速しそうだ。
アルゼンチンが4大会連続で8強に進むカギは、メッシの生かし方だ。前線で待つばかりでなく、ナイジェリア戦の後半のように、下がって受ける展開になれば、攻撃のバリエーションが増える。(井上翔太)