日大アメフト部の悪質タックル問題をめぐる中間報告会見で、報道陣の質問に答える第三者委員会委員長の勝丸充啓弁護士(中央)。左は事務局長の磯貝健太郎弁護士、右は委員長代理の辰野守彦弁護士=2018年6月29日午後3時12分、東京都港区、松本俊撮影
日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、第三者委員会(委員長=勝丸充啓弁護士)が29日に開いた記者会見での主なやりとりは次の通り。
日大第三者委、内田前監督らの指示認定 悪質タックル
――学生からはどんな声が多かったのか。
「選手・スタッフ145人を対象にアンケートをし、現時点で120人から回答があった。内田正人前監督、井上奨(つとむ)前コーチの指示・指導に意見を述べることができたかという質問に、約94%が『できなかった』と答えた。内田氏、井上氏と、(反則行為をした)選手の説明の食い違いについて、どちらが正しいと思うかと尋ねたところ、内田氏、井上氏の発言が『正しい』と回答した人は一人もいなかった」
――今回だけではなく、過去にも反則を指示するような行為があったのか。
「他の選手に対しても、反則をいとわないで積極的にやれという指示が多数なされていた。決して、この1度だけではない」
――アメフト部監督の公募についてどう考えるか。 「公募という手続きがきちんとできるのかなと心配していた。今後はきちんとした選考委員会を設け、選手、OB、周りの人の声を聞いて透明性が明確に見える形で選考を進めていただきたい。これまで若干、不透明感があったのを挽回してほしい」
――反則行為後のミーティングでの監督発言は。
「『あのプレーは俺が指示した。何か言われたら監督の指示だと言え。責任は俺がとる』と、一人ではなくて複数の選手が証言した」
――内田氏と井上氏はヒアリングではどんな様子だったのか。
「今回、第三者委員会が認定していることについては否定している。ヒアリングの回数については控えるが、丁寧にヒアリングして、私の方は反省していないなと思った」
――反則をした選手は、反則行為の指示を断れなかったのか。
「アンケート結果の一部を紹介する。試合に出させる条件として反則するよう指示されたら従っていたかを尋ねたら、『従っていた』と答えた人が約3分の2。相当多数の人が、命じられたら同じようなことをしたと答えた。内田氏、井上氏の支配は相当強いものであって、相手をけがさせろと言われても断れないのが一般的な状況だった」
――再建に向け、部内や学内に残る前監督の影響力を排除するのは容易ではない。第三者委はどのように行動をするのか。
「報告書については来週以降、大学側に詳しい形で報告することになる。大学側としては、私どもの提言を真摯に受け止めていただき、最大の努力を払っていただきたいと思う」(構成・土居新平)