練習後にノートを持って意見を書き留め、ミーティングをする刈谷高校の部員ら=2018年7月17日、愛知県刈谷市、江向彩也夏撮影
第100回全国高校野球選手権記念東愛知大会で、16強のうち3校が今年度、「創立100年」の節目を迎えている。刈谷、西尾、半田の3校で、いずれも夏の甲子園は未経験。「節目の年に甲子園に進み、母校に花を添えたい」と皆、励んでいる。
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♪空は南、みはるかす――。17日、夕焼けに赤く染まった空の下、刈谷の部員らの歌声が響く。試合の勝利をイメージし、練習後に校歌を歌っている。
1918年、前身の愛知県立第八中学校の設立が認可され、19年に開校。野球部が創部されたのは、戦後の48年だった。78年には第50回選抜高校野球大会に出場。岡田泰次監督(41)は刈谷OBで、第77回愛知大会で4強に進んだ。「100周年で100回大会へ、新たな歴史を作ってほしい」と部員らを見守る。
渡辺淳史主将(3年)は「勝ってかぶとの緒を締めろ」と部員らに呼びかける。「目標は甲子園で勝つこと。慢心せず、チーム力を高めたい」。次戦は21日、刈谷工と刈谷球場で戦う。
18年に、前身の西尾町立高等女学校が開校した西尾も、夏への思いは強い。
野球部の創部は46年。今年は20年ぶりにシード校となった。立役者となったエースの木下拓郎君(3年)は「勝って当たり前という雰囲気の学校には行きたくない。強豪校を倒したい」と進学を決めたという。
部の目標は「公立校ナンバー1」。冬場は一日1500回素振りをして打力を高めた。山本侑弥主将(3年)は「100周年へつないでくれた先輩方のために戦い、西尾の歴史を変えたい」。次戦は21日、西尾東と岡崎市民球場で戦う。
半田も18年に、前身の愛知県立第七中学校の設立が認可され、19年に開校。今年が創立100年の節目となる。東愛知大会3回戦では、シード校の桜丘に1―0で競り勝った。
18日、選手らは半田球場で実戦練習に励んだ。次戦は21日、豊田球場で蒲郡東と戦う。山盛晴太主将(3年)は引き締まった表情で話す。「強豪に勝つことに満足したくない。これからが大事。100周年で100回大会を迎えられた巡り合わせに感謝し、一致団結して甲子園を目指す」(江向彩也夏)