羽田空港で2016年5月に大韓航空機のエンジンから出火した事故。今回の事故調査では、乗客が荷物を持ったまま脱出用のスライドを滑るなど、ルール違反が多発していたことも明らかになった。
一昨年の大韓航空機出火、エンジン部品の製造ミスが影響
運輸安全委の報告書に盛り込まれた客室乗務員や消防隊員の証言によると、多くの乗客が荷物を持たないよう求める乗務員の呼びかけに応じず、荷物を持ったままスライドを利用。大きなスーツケースを抱えていた人も。脱出後に、機体近くで写真をとる人や電話をする人もいたという。
スライドは空気で膨らむため、荷物が引っかかって破れると脱出に使えなくなる。また、脱出後は危険回避のため機体から離れるのがルールだ。報告書は「乗務員の指示に従うことが生命を守るために極めて重要であることを理解して行動することが望まれる」と指摘した。(伊藤嘉孝)