宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務を巡る汚職事件で、文部科学省前国際統括官の川端和明容疑者(57)がJAXAに出向中、スポーツ庁の幹部らを医療コンサル会社元役員谷口浩司容疑者(47)に紹介していたことが関係者の話でわかった。谷口元役員がスポーツ関連団体の発足準備に関わっていた時期と重なっており、東京地検特捜部は一連の飲食接待との関連を調べている。
銀座で「接待、接待、接待だよ」 文科省元幹部汚職事件
関係者によると、川端前統括官は同省の官房総務課長を務めたこともあり、省内や政界に幅広い人脈を持っていた。同じく同省や政界にパイプがある谷口元役員とは出向前から知り合いだったとみられている。
川端前統括官は2014年7月から17年3月までJAXAに出向していた。関係者によると、谷口元役員は東京五輪に向けてスポーツ界のコンプライアンス向上を目指す一般社団法人の設立に関与しており、昨年4月の法人発足を前に、川端前統括官が谷口元役員にスポーツ庁の幹部らを紹介したという。
川端前統括官はJAXAから同省に異動後の昨年6月、この法人が都内のホテルで開いた発足記念式典にも出席したほか、法人内の勉強会にも参加。一方、法人は発足1年目で、同庁が発注する調査事業を約400万円で得ていたという。
川端前統括官はJAXA理事だった15年8月~17年3月、職務に絡んで谷口元役員から約140万円の飲食などの接待を受けたとして収賄容疑で逮捕された。特捜部は、川端前統括官が口利きや便宜供与を依頼されるたびに接待を受けていたとみており、2人の関係を詳しく調べている。