横浜市神奈川区の大口病院で2016年9月、入院患者2人が相次いで中毒死した事件で、男性(当時88)を殺害したとして殺人容疑で逮捕された看護師久保木愛弓(あゆみ)容疑者(31)=横浜市鶴見区=が、男性の体内に消毒液を混入させたのと同じ夜勤中に別の男性の点滴にも消毒液を混ぜていたとみられることが、捜査関係者への取材でわかった。
治療薬に空気混入、直前に容疑者はカメラに 連続中毒死
「容体悪そうな患者選んで消毒液混入」殺人容疑の看護師
消毒液を一気に多量混入?成分高濃度で検出 連続中毒死
久保木容疑者はこうした経緯を認めているといい、神奈川県警は28日にも2人目の男性への殺人容疑で再逮捕する方針。
県警は今月7日、当時同病院で働いていた久保木容疑者が16年9月18日、入院中の西川惣蔵(そうぞう)さん=同市青葉区=の体内に消毒液を混入させて殺害したとして逮捕した。
捜査関係者によると、久保木容疑者は夜勤のため、18日午後3時ごろ出勤。1人で病室に入った直後の同日午後4時50分ごろから西川さんの心拍数が低下し、同7時に死亡が確認されたという。
さらに、久保木容疑者は、夜勤を終える翌19日朝までの間に、ナースステーションで保管されていた八巻信雄さん(当時88)=横浜市港北区=の点滴に消毒液を混入したとみられる。八巻さんは19日夜からこの点滴を投与され、20日午前4時ごろ容体が急変し、死亡した。
久保木容疑者は、「自分の勤務時に患者が亡くなると、家族に納得してもらえるか説明が不安だった」と供述。県警は自分の勤務時間外に患者を死亡させようとしたとみている。西川さんが死亡した際は、別の看護師が対応。八巻さんの時も久保木容疑者は非番だったという。(山下寛久、伊藤和也)