神奈川県愛川町で刑務所への収容前に逃走した小林誠容疑者(43)は判決確定後、4カ月余りも収容されていなかった。また、19日午後1時半ごろに刃物を持って逃走した後、横浜地検が事実を公表したのは約3時間後だった。地検の竹内寛志次席検事は「お知らせするのが遅くなったことについても申し訳ないと思っている」としている。
地検によると、小林容疑者は今年2月、東京高裁に控訴を棄却され、窃盗や傷害、覚醒剤取締法違反(使用)などの罪で懲役3年8カ月の実刑判決が確定。すぐに刑務所に収容するのが原則で、地検は保釈されていた小林容疑者に出頭を命じた。応じなかったため、複数回、自宅を訪問したが接触できなかったという。
19日午後1時半ごろに職員らの訪問を受けた小林容疑者が逃走した後、地検が事案を報道各社に公表したのは午後5時前だった。一方、県警が緊急配備を敷いたのは、午後5時45分ごろ。県警は配備前も小林容疑者の特徴や逃走車のナンバー情報を共有したり、検問をしたりして必要な捜査を続けていたと説明する。太刀野一夫・県警刑事総務課長は「立ち回り先や小林容疑者の妻から聴取するなどしていた」と話している。厚木署は午後3時35分ごろ、県警本部に緊急配備の手配を依頼していたという。
■「全体の保釈判断を厳しくしろ…