日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、日大が設置した第三者委員会は最終報告書で、田中英寿理事長にも危機管理対応を怠った責任を指摘した。一連の問題は本来、運動部を統括する保健体育審議会会長の大塚吉兵衛(きちべえ)学長が対応する。法人トップの理事長にまで言及したのは、全学を巻き込んだ不祥事に発展しただけでなく、スポーツ強化と大学経営が密に結びついたことが背景にある。 「内田氏の弁護費用、大学で」 第三者委、上申書を発見 「日大理事長の事後対応は不適切」 第三者委の最終報告 スポーツ強化が大学のブランド力を高めて志願者を増やし、経営をより安定させる。その構造の中で勝利至上主義が求められ、看板のアメフト部では内田正人前監督の独裁体制が敷かれ今回の問題を生んだ。 日大特有の人事構造から生じたガバナンス(組織統治)の欠如も問題の一因だ。第三者委は、常務理事だった内田前監督が、保健体育審議会の事務局長という立場を利用して体育局を支配したと指摘。アマ相撲で横綱に輝いた田中理事長は大学経営のトップとして運動部の躍進を期待した。 ただ、スポーツでのブランド化… |
問われる日大理事長の説明責任 権限集中の背景に全共闘
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