岡山県倉敷市真備町で亡くなった51人のうち、8割以上の42人が住宅1階部分で遺体となって発見されていたことが、関係者への取材や朝日新聞の調査でわかった。42人のうち36人が65歳以上の高齢者。足が不自由だったり杖を使ったりする人らが多かったといい、避難が困難だったために自宅で亡くなるケースが大部分を占めていたことが浮き彫りとなった。
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朝日新聞は自治体や警察、消防に取材するとともに、亡くなった人の関係者に当時の状況について話を聞いた。その結果、43人が屋内で遺体で見つかっていたことが判明。うち1人は2階部分で、42人は1階部分だった。建物の形態別にみると、21人が平屋、21人が2階建て以上の住宅やアパートに住んでいたが、上階へと移動する「垂直避難」ができなかった可能性がある。
地域でみると、1級河川・小田川の支流で、3カ所が決壊した末政(すえまさ)川の近くに集中。12人が亡くなっていた。末政川は7月7日午前0時ごろに決壊が始まったとみられており、近くに住む70代男性は「大きな音がして家がきしんだ。目の前で近所の家がえぐられ、一瞬で流された」と証言。周辺の家屋は大きく損傷しており、激しい濁流が突如襲ったとみられている。
亡くなった人の自宅は広範囲に分布しており浸水が比較的浅いと推定された場所もあった。
また倉敷市によると、介護が必要だったり障害があったりするなどして、災害時に支援が必要な「避難行動要支援者」は51人中42人。国は要支援者の具体的な避難方法などを定めた「個別計画」の策定を各自治体に求めているが、倉敷市は策定していなかった。
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