第100回全国高校野球選手権記念大会は17日、第1試合で近江(滋賀)が、常葉大菊川(静岡)に9―4と打ち勝ち、17年ぶりの8強入りを決めた。近江打線が好調なわけを選手に尋ねると、意外な答えが。大会期間中に宿舎で毎日繰り広げられている、あるスポーツの効果が見えてきた――。
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「卓球で速い球に目を慣らしています」。常葉大菊川戦で4打数4安打6打点と大活躍した北村恵吾内野手が、好調の秘訣(ひけつ)を尋ねられ、試合後のお立ち台で明かした。
甲子園期間中、近江の選手たちは宿舎の「伏尾温泉不死王閣」(大阪府池田市)で、毎日卓球に興じている。1日の割り当て練習時間は2時間程度。対戦校の研究やミーティングに取り組んでも、多くの選手は時間を持て余す。そこで、宿にある1台の卓球台に選手が集まるのだという。
シングルス、ダブルス、ときにリーグ戦も繰り広げ、リラックスしながら、軽く汗を流す。夕食後の1、2時間はほぼ毎日、誰かが卓球をしている。なかには4時間熱中するつわものもいるという。
最も「強い」と評判なのは左翼を守る2年生の住谷湧也外野手だ。卓球効果のおかげか、初戦の智弁和歌山戦は2打数2安打。2回戦の前橋育英戦も3打数2安打。3回戦の常葉大菊川戦では4打数3安打2打点と、絶好調だ。
「速球に対して目が慣れて、卓球効果が出ています」とにっこり笑った。(高岡佐也子)