第100回全国高校野球選手権記念大会の抽選会が2日にあり、史上最多となる56代表の組み合わせが決まった。いよいよ100回の節目の大会に挑むチームの主将に、将来の200回大会に臨む未来の球児へエールを送ってもらった。
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愛工大名電(西愛知)の西脇大晴主将は「これまでの歴史を刻んでくれた先輩たちに感謝してプレーしてほしい」と話す。「200回大会まで高校野球が愛され続けるためには、子どもたちに夢を持ってもらう野球をすることが必要。僕らもそうした野球をして勝ち進みたい」と意気込む。
旭川大(北北海道)の青木亮樹(よりき)主将は「組み合わせ抽選会場に来て、改めて高校野球の歴史の重みを感じた」と興奮気味に話した。「100回後も後輩にはその場に立てる特別な思いを感じてほしい」
大会は戦争による中断の時期を乗り越えてきた。創成館(長崎)の峯(みね)圭汰主将は「平和だからこそ100回続いてきた。後輩には平和に野球ができることに感謝してプレーしてほしいし、そのことを自分たちも忘れてはいけない」と語った。
「自分を信じることが何よりも大切だと伝えたい」と済美(愛媛)の池内優一主将は話した。全体練習後に打撃投手と自主練習を続け、愛媛大会で4番としてチームを優勝に導いた。「練習を誰より積み重ねることが自信につながる。今大会では自分を信じて続けてきた成果を出す」
野球人口の減少に懸念を示したのは高岡商(富山)の中村昂央(こうよう)主将。富山大会では連合チームを組む高校もあった。「みんなで野球ができるのはありがたいし、100年たっても甲子園が聖地であることは変わらない。後輩たちには野球の楽しさを伝えていってほしい」
「技術や道具が進歩してきたので、100年後はさらに進化している」とみるのは日大三(西東京)の日置航主将。ただ、「一番大事なのは選手一人ひとりの気持ち、ということは変わらない。200回大会の球児も一生懸命練習して、最後の一球まで諦めない気持ちで臨んでほしい」と語った。
開会式の選手宣誓には、17校の主将が立候補の挙手をした。抽選で、近江(滋賀)の中尾雄斗主将が選ばれた。「当選」と書かれた紙を掲げると、部員から「うぉー」と驚きの声が上がった。
この日の昼食時に投手の金城登耶(とうや)君から「お前が開会式で宣誓しているイメージが見える」と「予言」されていたという。中尾君は「仲間に勧められて立候補した。金城は勘が鋭いやつ。ほんまに当選してびっくりしています」。宣誓では「100回という甲子園の歴史の重みと、野球ができることへの感謝を伝えたい」と笑顔で語った。