国立科学博物館は21日、科学技術発達の歴史で大きな意味を持つ重要科学技術史資料(未来技術遺産)に、世界初のクオーツ式腕時計「セイコー クオーツアストロン35SQ」など19件を新たに登録すると発表した。2008年度から始まった登録は、今回で計259件となった。
科博によると、クオーツアストロン35SQは諏訪精工舎(現・セイコーエプソン)が製造し、1969年に発売された。心臓部の水晶振動子を小型化したことで、クオーツ式腕時計が世界中に普及した。科博は「時計技術の大きな改革を実現した」と評価した。
62年に新三菱重工業(現・三菱重工業)が作った「ボトル自販機V―63」は、コカ・コーラ社が普及させた飲料ボトルの自販機。「自販機大国と言われる日本の新たな生活様式の創出に顕著な役割を果たした」と判断した。
日立建機が65年に製造した「油圧ショベルUH03」は、独自技術の油圧モーターで、操作性や動作速度などの改善に成功。現在の油圧ショベルの原型となっているという。
富士写真フイルム(現・富士フイルム)が2000年に作った「FinePix4700Z」は、世界初の「ハニカム構造CCD」を搭載したデジカメ。画素数は432万で、デジカメの高画質化をもたらした点が重要だとした。(小宮山亮磨)