原子力規制委員会は22日、東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型炉(BWR)をもつ全6電力会社の原発で、燃料集合体325体の金属製カバーに欠損があったと発表した。8割近い253体が神戸製鋼所製で、溶接方法に問題があったという。燃料の放射性物質が冷却水中に漏れ出る可能性は低く、安全上の問題はないとしている。
2012年に東北電力女川原発3号機(宮城県)で欠損が見つかったことを受け、同じBWRを持つ東京、東北、中部、北陸、中国の各電力と日本原子力発電の6社に調査を指示していた。
規制委によると、6社の原発で12年以降に調べた燃料集合体のうち、計約3万2千体の金属製カバーの溶接方法に問題があり、劣化しやすくなっていた。うち325体で実際にカバーの一部が欠けるなどしていた。東電が最多で206体、原電が41体、東北電が40体だった。欠損があっても使用に問題はないとして、東電はそのまま使い続ける。他の5社は欠損があるものは使わないようにするという。(小川裕介)