子どもの相談窓口、34自治体SNS導入 朝日新聞調査——贯通日本资讯频道
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子どもの相談窓口、34自治体SNS導入 朝日新聞調査

子どもたちの自殺やいじめを防ぐため、LINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使った相談を受け付ける自治体が急速に広がっている。朝日新聞が都道府県と政令指定市の67自治体に尋ねたところ、「既に実施」「実施予定」との答えが全体の5割にあたる34自治体に上った。自治体側は「一人で悩まず、気軽に相談してほしい」と呼びかけている。


SNSで受ける子どものSOS 「命の危機」の対応課題


調査は7~8月、47都道府県と20政令指定市の教育委員会などの担当部署に、主に高校生までを対象にしたSNS相談の予定や実施時期を聞いた。「既に始めた」「取り組む予定」と答えたのは福島県や和歌山県、熊本県、三重県など34自治体だった。相談には25自治体が無料通信アプリ「LINE」を使うとし、5自治体は匿名でいじめなどを通報するアプリを使うとした。


相談の実施時期や対象者は自治体によって幅があるが、その多くが夏休み中か、その前後の期間を含めていた。夏休み明けの8月下旬から9月上旬にかけて、子どもたちの自殺が増える傾向にあるためだ。


これまで自治体による相談窓口の中心は電話だったが、昨年9月、長野県が初めてLINEを使った相談を実施。その後、一気に広がった形だ。背景には、昨秋、神奈川県座間市の住宅で9人の遺体が見つかった事件がある。SNSで自殺願望を発信していた10代を含む若者が被害にあい、自治体は対策を迫られていた。文部科学省も昨年度から補助金を出し、SNS相談をする自治体の後押しを始めた。


導入した自治体が期待するのが、子どもたちの相談へのハードルを下げることだ。総務省の昨年の調査では、10代の86%、20代の96%がLINEを利用。SNSは若者のコミュニケーション手段として定着している。若者の「身近な存在」を活用することで「電話では拾い上げることのできなかった年齢層からの相談に対応できる」(青森県)、「相談したい気持ちを掘り起こす効果がある」(神奈川県)との声があがった。


一方、文字だけで相談を受けることに課題や不安を感じる自治体も多い。「表情や声色から感情を読み取ることができず、得られる情報が限定される」(静岡県)、「電話相談とは異なる相談スキルが必要」(三重県)などの懸念だ。「匿名のため緊急対応を要する相談への対応が難しい」(群馬県)との見方もあった。


「現状で予定はない」と答えたのは15自治体だった。「限られた予算枠の中、ほかに優先すべき事業がある」(滋賀県)、「検討段階に至っていない」(栃木県)との理由のほか、「国の動向や他県の状況を参考にしながら研究を進めている」(長崎県)との声が多かった。(土居新平、円山史)


SNS相談をしている自治体の多くは、対象の児童・生徒に学校を通じてQRコードを記したカードや文書を配っている。「LINE」の場合、相談専用アカウントのQRコードをスマートフォンなどで読み込んで友だち登録した後、相談できる。対象の子どもや学校は自治体によって異なり、数校だけで試行的に実施する自治体もある。


SNS相談をしていない自治体も電話相談を受け付けているほか、いじめなどに悩む子どもや保護者向けの「24時間子供SOSダイヤル」(0120・0・78310)が休日、夜間も含めて相談できる。


朝日新聞のアンケートでSNS相談について「既に始めた」「取り組む予定」と回答した自治体は下記の通り。


【都道府県】北海道、青森、宮城、山形、福島、群馬、東京、神奈川、新潟、富山、長野、岐阜、静岡、三重、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、岡山、広島、徳島、愛媛、高知、熊本、鹿児島


【政令指定市】仙台、さいたま、名古屋、京都、大阪、堺、熊本


※実施時期や対象者は自治体によって異なる。


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