高校生が日本の文化を学び、新たな魅力を発信するプロジェクト「高校生ニッポン文化大使2018」の大使任命式が28日、東京国立博物館であった。主催は文化庁と朝日新聞社で、国際交流基金の共催、外務省と同博物館の協力。2年目の今回のテーマは「縄文」。12人が「文化大使」に任命され、うち3人は11月にパリへ派遣される。
12人は全国から作文などの審査を経て選ばれた。25日から同博物館で開催中の「縄文――1万年の美の鼓動」展の鑑賞など3泊4日の研修に参加。最後に一人ずつ縄文の魅力について発表し、文化大使の任命状を授与された。発表の結果、パリ派遣は、蟹江菜々美さん(金城学院高1年)、小出遥香さん(お茶の水女子大付属高1年)、村川智哉さん(開成高2年)に決まった。
小出さんは「中学時代から縄文時代のことが好き。土偶のかわいさや美しさをフランスのみなさんに伝えたい」と抱負を語った。蟹江さんは「文化大使のみんなの思いを背負って、縄文のアニミズムをパリの高校生にわかりやすく伝えたい」、村川さんは「パリには自分と違った価値観の人たちがいる。議論して経験を深めていきたい」と話す。
フランスの文化芸術イベント「ジャポニスム2018」の中心展覧会として、縄文展が10月からパリで始まる。3人は会期中にフランスの高校生と交流し、縄文の魅力を発信する。
3人以外の文化大使は、以下の通り。鯨岡明里さん(桐朋女子高2年)、熊倉海月さん(新潟県立新潟高1年)、滝川知輝さん(東海高1年)、南條立樹さん(滋賀県立信楽高2年)、藤木貴生さん(新潟県立十日町高1年)、松元彌録さん(宮崎県立本庄高2年)、水落亜久里さん(新潟県立六日町高2年)、安野喬雄さん(奈良県立奈良高2年)、山田隼大さん(海陽中等教育学校5年)