スポーツ界で相次ぐ不祥事を受け、スポーツ庁は12日、競技団体への国の監督強化などを庁内で検討するプロジェクトチームの会合を開いた。年内をめどにスポーツ界のインテグリティー(健全性)を確保する政策を取りまとめる。
東京オリンピック2020
鈴木大地長官は冒頭、「トップ選手強化に公金を使っているが、このままだと国民に理解してもらうことが難しくなる。2020年大会が迫る中、(国と)スポーツ団体の関係性を検討していく時期にある」と話した。不祥事の際、現状の法制度では、スポーツ庁の指導は口頭や文書による助言や注意喚起にとどまり、調査や処分に踏み込む権限がない。そのことを踏まえた発言だった。
会合にはスポーツ庁参与を務める日本オリンピック委員会(JOC)の福井烈・常務理事らが出席。JOCは、国の圧力に屈した1980年モスクワ五輪ボイコットの反省などから、89年に日本体育協会(現・日本スポーツ協会)から独立した経緯を持つ。鈴木長官はこの日、「競技団体の独立や自治も尊重すべきだと思う」とも語った。
国のスポーツ団体への介入を認めるべきか。認める場合、どの程度の権限が適当か。スポーツ団体のあり方を問う会議は今後、月2回ほど行われる。(野村周平)