第43期囲碁名人戦七番勝負(主催・朝日新聞社、協賛・株式会社 明治、マニフレックス)の第2局は、名人戦史上2番目に長い336手にわたる激戦の末、井山裕太名人(29)が挑戦者の張栩(ちょうう)九段(38)を下し開幕2連勝を飾った。名人は終盤に差しかかる時点で考慮時間が残り1分に。4時間弱にわたって秒読みに追われながら、挑戦者の鋭鋒(えいほう)を辛くもかわした。
対局2日目の午後4時16分、名人は162手目から残り時間1分の秒読みに突入した。盤側の記録係が、名人に手番が回るごとに「50秒、1、2、3……」と読み上げる。「10」で時間切れ負けとなる。名人は何度か「9」で打った――。
序盤から主導権を握ろうとする…