米プロフットボールリーグ(NFL)で見せたそのタックルは、体の一部を失っても「やれる」という可能性を示すものだった。左手首から先のないシアトル・シーホークスのLBシャキーム・グリフィン(23)が9日の開幕戦に先発出場。今季NFL入りした新人が、最高峰リーグで鮮烈なデビューを果たした。
敵地であったデンバー・ブロンコス戦。ヘルメットからはみ出た髪をなびかせ、背番号「49」がフィールドへ。LBは守備の第2列に位置する守りの司令塔だ。相手のラン、パス攻撃に対応し、時には鋭い出足でパスを投げようとするクオーターバック(QB)を襲う。武器はスピードだ。この日は球を持った相手との間合いを素早く詰めて、タックル。右手でつかみ、左腕を絡みつけて前進を食い止めることも多い。
試合は24―27で敗れたが、2タックルをマークした。自分を健康な双子の兄と分け隔てなく育ててくれた両親の前で、1年早くチーム入りした兄のDBシャキールとともプレーした。「2人でフィールドに立つことが経験できるなんて。支えてくれた家族に感謝だね」と米メディアに喜びを語った。
シャキームは生まれた時、子宮…