広島、長崎の被爆者3人について原爆症と認めるかどうかが争われた訴訟で、「認めない」とする一、二審判決が確定した。最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)が18日付の決定で、被爆者側の上告を退けた。
この訴訟は、国が「救済範囲を広げる」として2013年12月に原爆症の認定基準を拡大した後も対象にならなかった、被爆者7人について争われていた。このうち4人の甲状腺機能低下症は原爆症と認められ、二審までで判決が確定。狭心症や心筋梗塞(こうそく)などを患い、一、二審で敗訴した3人の審理が続いていた。
一審・大阪地裁は、3人のうち2人について「線量が非常に高いとは認められない」とし、被曝(ひばく)以外の原因で発症したとみるのが合理的と判断。残る1人も医療が必要な状態ではなく、原爆症の要件を満たさないとしていた。二審・大阪高裁もこうした判断を支持した。(岡本玄)