米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の最新2機種が21日に発売された。機能の高度化や携帯大手各社の値引き抑制を背景に、実質価格は年々上がっている。最上位の機種「XS(テンエス) Max(マックス)」は大手3社の標準的なプランで7万~8万円台から。高嶺(たかね)の花となった端末がどれだけ売れるか、見通せない。 【動画】XSは今が買い時なのか 新型iPhone徹底レビュー 【写真特集】発表会では「Bokeh」という単語がキーワードに 「XS Max」は画面がiPhone史上では最も大きい6・5インチ。端末価格は直営店で税抜き12万4800円からで、昨年発売の「X(テン)」より1万円以上高い。 それでも、東京・表参道のアップル直営店ではこの日午前8時の発売時、250人ほどが列をつくった。 「XS Max」を買った東京都世田谷区の会社員男性(22)は「アップルの最新技術のスマホを使えるなら、いくらかかってもいい。動画がどんな迫力なのか楽しみ」と話した。 XR、廉価でも最新プロセッサー iPhone徹底解説 【写真特集】XSシリーズの「ゴールド」は光沢仕上げ 一方、高額化の流れについていけない人もいる。スマホの修理のため店を訪れていた会社員男性(19)は「10万円を超えるような機種にはなかなか手を出せない」と話した。 もともと高級なiPhoneをめぐり、携帯大手各社は「実質0円」などと値引きを競ってきた。iPhoneが日本市場で5割ものシェアを占めることになった一因だ。 しかし、端末代の過度の値引きの結果、月々の通信料が高止まりしているとして、政府が見直しを要請。KDDI(au)は昨夏から、ソフトバンクも今月から、端末代を値引かない代わりに通信料を安くするプランを導入した。 ソフトバンクの場合、一定の条件のもとで4年(48回)の分割払いで買うと支払いが半額で済む「4年縛り」のプランに入っても、「XS Max」の実質価格は昨年の「X」より4万7千円ほど高い。 調査会社「MM総研」によると、国内のスマホの出荷台数に占めるiPhoneのシェアは14年の59・5%をピークに下がり、17年は48・7%。実質価格の上昇がシェア下落につながっている、との見方もある。 大手各社は最新2機種の予約状況を「順調」などとしているが、ある大手幹部は「iPhoneの機能に大きな進化もないなかで、最新機種に一時のような勢いはない」と漏らす。(徳島慎也) ◇ 携帯大手3社の新型iPhoneの実質価格 ○今年発売の「XS Max」(64GB) NTTドコモ 8万2944円 KDDI(au) 7万800円 ソフトバンク 7万4880円 ○昨年発売の「X」(64GB) NTTドコモ6万8472円 KDDI 6万4080円 ソフトバンク 2万7000円 ※各社の標準的なプランでの実質的な負担額 |
高額iPhone売れるか、1台12万円も 2機種発売
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