世界反ドーピング機関(WADA)が20日、組織ぐるみのドーピング問題で2015年11月から「不適格組織」としていたロシア反ドーピング機関(RUSADA)の資格回復を認めた。この決定を受け、各団体は20年東京五輪・パラリンピックも見据えた対応を急ぐ。
理事会の投票結果は賛成9、反対2、棄権1の大差がついた。しかし、当初の資格回復の条件の一つだった「モスクワの検査所が保管する検体やデータの提供」はまだ満たされていない。この点については、年内に実行されなければ、再び資格停止となる留保が付いた。さらに、RUSADAはWADAから求められた検体の再検査を来年6月末までに完了しなければならない条件も付いた。
リーディー委員長は声明で「この決定がすべての人を満足させるわけではなく、違反者の更生を心配する人がいると理解できる。ロシアスポーツ界が真に潔白であるための責務をWADAは背負う」と語った。
国際陸上競技連盟は独自の作業部会が引きつづき精査し、12月の理事会で対応を話し合う。コー会長は「満足する条件が満たされるまで作業部会に委ねる」と声明を出した。ロシア陸連は資格停止中で、昨年の世界選手権は潔白と認めた選手のみ、個人資格での参加を容認した。
16年リオデジャネイロ、18…