逃げ遅れたら、うちの建物に退避を――。管内の広範囲が洪水によって浸水すると想定される警視庁綾瀬署(東京都足立区)は19日、「命を守るクイック退避建物」として協力を求める取り組みを始めた。管内の民間のマンションなどを一時的な「垂直避難」場所として提供してもらう、警視庁初の試みだ。 台風接近どうする? 備え確認し、早めに避難を 水害への備えは? 台風に襲われたら、街で身を守る きっかけは7月の西日本豪雨。51人が亡くなった岡山県倉敷市真備町と同様、綾瀬署管内も荒川や中川などに囲まれる平らな土地だ。区のハザードマップでは荒川の氾濫(はんらん)で2~5メートルの浸水が想定されており、署幹部が発案した。 何かあったときに逃げ込める「子ども110番の家」のようなイメージで、5階以上の民間のマンションやビルなど634棟に協力を依頼。「数棟でも協力してくれれば御の字」だったが、18日までに154棟から賛同を得た。 区内で生まれ育った岩田真理子さん(74)は、60年ほど前の台風で一帯が浸水し、たらいに乗って人々が移動していたことを覚えている。近所で大火事があった時は、母親が避難者を家に受け入れていた。「役立つなら喜んで」と、管理する5階建てマンションで協力することにした。 19日の第1回連絡会議には約30棟の管理者らが出席。林二郎署長が「署、区、建物管理者のみなさまとタイアップし、命を守る賛同の輪を広げていきたい」とあいさつし、協力依頼書を手渡した。 足立区など都内東部5区が8月に発表した避難計画では、大規模水害の被害想定者は約250万人。原則として区域外への広域避難を呼びかけるが、緊急時には垂直避難も必要となる。足立区災害対策課の担当者によると、都営住宅などと協定を結んでいるが、民間との連携は住民の合意形成や防犯面などの問題から、なかなか進まないのが現状で、「区ができない部分を警察に担ってもらい、ありがたい」。区は、協力建物への簡易トイレや飲料水の提供を検討する。(荒ちひろ) |
逃げ遅れ→うちの建物へ 水害時の退避建物、増えてます
新闻录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
相关文章
LINEでご近所連絡網 「あんまり降るなら避難所に」
避難促す電話、お年寄りなぜ出ない 豪雨で命救った機転
九州3県で土砂災害38カ所 週末は雨予想、警戒継続を
異例の豪雨でも出なかった避難指示「慣れがあったかも」
大雨警戒「最も高いレベル5」気象庁、異例の連続会見
みるみる増水「今回は普通じゃない」 不安な避難所の夜
九州の豪雨、196万人超に避難指示・勧告 けが人も
続く長雨、深層崩壊の危険高まる 専門家「早い避難を」
南鹿児島駅近くで土砂崩れ 鹿児島市電が一部区間で運休
ピークは夜か、猛烈な雨の見込み 過去の大災害に匹敵
気象庁「自らの命は自らで」 九州大雨警戒で異例の会見
九州南部の大雨、崖崩れで1人死亡 2日も梅雨前線停滞
鳴らし続けた携帯、つながらなかった豪雨の夜 後悔今も
九州南部大雨、鹿児島で避難指示 崖崩れ、交通に乱れも
九州から東北、28日昼まで大雨警戒 台風になる見込み
離れた家族に「逃げなきゃコール」 電話で直接避難促す
コアストーン崩落に深層崩壊も 屋久島被害を国など調査
増える風水害は台風の「逆襲」 今年も立ち向かうために
関空連絡橋、まず上下2車線で通行可 4月に完全復旧へ
浸水被害大でも死者ゼロ 西日本豪雨、命守った自主防災
タンカー衝突の関空連絡橋、GW前に6車線完全復旧へ
関電、台風対策に83億円 大規模停電の反省踏まえ方針
台風で損壊の関空連絡橋、来月かけ直し 完全復旧はGW
九州北部豪雨から1年半 仮設住宅で黙とう
傾いた床にすきま風 みなし仮設、欠陥あっても転居不可










