大阪市の観光系専門学校「日中文化芸術専門学校」で4月以降、ベトナム人留学生ら160人余りが退学になっていたことが大阪府への取材でわかった。このうち約60人は帰国した。府などが定員を超えて受け入れているとして改善を求めていた。
府などによると、学校は2年制で、「観光・通訳ガイド専攻学科」や「日本語・日本文化学科」がある。「主に日本人が対象」「留学生は一部」として、府の認可を受けて2015年4月に開校した。17年は定員418人に対し、同年5月で約560人が在籍。多くはベトナム人や中国人の留学生だった。府は是正を指導したが、今年も5月時点で前年より多い約580人が在籍し、9割以上が外国人だった。大阪入国管理局も学校側に定員の超過を改めるよう求めたという。
すると、今年4~8月に留学生165人が退学。別の専門学校に移った人や就職した人のほか、約60人は帰国したという。定員を超えた受け入れについて、学校側は「新校舎を建てる予定だった」と府に説明。ただ、府が調べると、外国人に日本語を教える授業などが行われていたという。学校側は取材に「担当者が不在で答えられない」としている。
退学したベトナム人7人は近く学校を相手取り、慰謝料などを求める訴訟を大阪地裁に起こす。代理人の弁護士は「彼らは通訳や観光業界で働くことを目指していた。受け入れられない可能性があったのに、学生に知らせずに入学させたことは許されない」と指摘した。