汚職事件で局長級幹部が相次いで逮捕・起訴された文部科学省で、今度は事務次官と初等中等教育局長が辞職に追い込まれた。止まらない不祥事の連鎖に、省内外から憤りやあきれる声が上がっている。
「大学に質保証を求めている指導官庁がこれでは、やっていられない。襟を正してほしい」
西日本の私立大の学長は21日、こう話した。汚職事件を受けて、独自色のある研究をする大学に施設費などを助成する「私立大学研究ブランディング事業」は選定過程が疑問視されて廃止が決まるなど、大学にも影響が出ている。「ただでさえ、私大は経営環境が厳しい。これ以上、不祥事が起きないよう願うしかない」と学長は語る。
文科省は現在、大学入試改革や学習指導要領の改訂など、教育現場に大きな変化を迫る政策も進めている。関東地方の公立高校の校長は「詳細がなかなか見えず、困惑させられている。改革を押しつけるのに、自分たちは接待。現場はやりきれない」と憤った。
不祥事は昨年から相次いでいる…