世界最大級の水産市場、築地市場(東京都中央区)は10月6日で営業を終え、83年の歴史に幕を下ろす。魚河岸の衆のパワーの源になりたいと、生まれた丼がある。
魚河岸ものがたり
「はやい、うまい、やすい」を志し、明治末に生まれた牛丼の「吉野家」。その1号店が、築地市場(東京都中央区)の中にある。
実は、市場が日本橋にあった頃から愛された味だ。関東大震災後は屋台で営業を続け、1926(大正15)年、いまに続く1号店が生まれた。
早朝、手狭な1号店に、市場の人たちが次々とやって来る。でも、みな黙って座るだけだ。
つゆだく、ネギ抜き、アタマ(…