ラオス南東部アッタプー県で建設中だった水力発電用のダムが7月に決壊してから2カ月以上がたった。泥にのまれて村を失った人々はテント暮らしを続けている。復興には5~10年かかるとみられ、支援物資は外国からの援助に頼っている状況だ。民間主導の工事だったことも、支援の動きを複雑にしている。
ダム決壊現場に記者が飛んだ ラオス政府、ちぐはぐ対応
ラオス政府によると、9月末の段階で、31人が死亡、34人が行方不明。約1万7千人が被害を受け、被害額は約4兆3500億キープ(約577億円)に上るという。
9月24日、最も被害の大きかったアッタプー県南部サナムサイのヒンラー村を訪れると、ぐしゃりとつぶれた家や骨組みだけの建物が次々と現れた。高さ数メートルある木が何百本も同じ方向に倒れ、当時の水流の激しさを示していた。家ごと流されて更地になった場所もあるという。
ヒンラー村に住んでいた約660人は高台の別の村に移り、日本の国際協力機構(JICA)などが支援したテントで暮らす。日中は温度が上昇するテント内での生活に苦しむ人たちも多い。現在、ダム事業に出資した韓国のSK建設が、仮設住宅を建設中だ。
避難した人たちには食料のほか…