日本が実現を目指す北方領土での共同経済活動は、日本側に領土交渉の機運を高める思惑がある一方で、ロシア側には冷めた反応が目立つ。観光や養殖で共同経済活動を提案している択捉島の水産・建設大手ギドロストロイのユーリ・スベトリコフ社長に、日ロの共同経済活動や平和条約などへの考えを聞いた。
――北方領土の共同経済活動に関する協議の現状をどうみていますか。
「(昨年まで)日本の調査団と2回会い、具体的なプロジェクトも提案したが、回答がない。我々の声が日本側には聞こえていないように見える。現状では実現につながらないのではないかと懸念している」
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――どんな提案をしているのですか。
「まず観光だ。択捉島にはいい空港があるので定期便を開設して観光客を運べば、日本側にもロシア側にも利益になる。日本の伝統料理を用意し、ホテルに特別な部屋も準備できる。日本の観光客に合わなければ一緒に何か考えればいい。調査団には日本の旅行会社も多くいた。択捉の道路やホテルを見学し、気に入ったようだった」
「次に飲料水。世界では年々、…