75年以上刊行されてきた出版業界誌「出版ニュース」(出版ニュース社)が、来年3月下旬発売号で休刊することが分かった。戦前から出版界の浮沈を伝え続けてきた業界誌の休刊は、出版不況を象徴している。
同誌の前身の雑誌は1941年創刊で、49年から出版ニュース社が発行を引き継いだ。月3回発行で、出版業界にまつわる統計調査や海外の出版業界動向などを紹介し、公称部数は4300部。近年は部数低下が続き、最新の10月中旬発売号で、定期購読者に休刊が告知された。同社の清田義昭代表(74)は「出版業界が厳しい中での休刊にじくじたる気持ちはあるが、社員4人の小さな会社で私自身も高齢になり、潮時だと感じた」と話す。(加藤勇介)