仮想通貨交換サイト「Zaif(ザイフ)」で約70億円分の不正流出を起こした交換業者テックビューロ(大阪市)は10日、事業を金融情報サービス「フィスコ」(東京)のグループ企業に譲渡すると発表した。テックビューロは会社解散の手続きに入り、顧客や不正流出を巡る補償手続きはフィスコが引き継ぐ。顧客から預かり資産の返還請求などがあればフィスコが応じる方針。
テックビューロは株主総会での承認後、11月22日付で事業を譲渡する。事業は「フィスコ仮想通貨取引所」が引き継ぐ。テックビューロは金融庁に登録した交換業者だが、譲渡手続きの終了後に登録廃止を申請する予定。
テックビューロは9月20日に不正流出を公表し、フィスコの資金支援を受けて傘下入りすると表明していた。ただ顧客保護のためには事業譲渡が適切だと判断したという。同社は「当初方針とは違うが顧客資産保護の考えは変わらない」としている。(山口博敬)