国の許可を得ずに作業員を建設会社に派遣したとして、警視庁は10日、指定暴力団極東会系組長の広尾光信容疑者(69)=東京都新宿区北新宿2丁目=や組員ら男女6人を職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)の疑いで逮捕し、発表した。広尾容疑者は「組の資金を得るために労働者を送り込んだことは間違いない」などと容疑を認めているという。
警視庁は、この組が以前から新宿区の西戸山公園に集まる労働者らを違法に派遣し、派遣先から月数万~数十万円の「みかじめ料」を徴収したり、日当から数千円を「ピンハネ」したりしていた疑いがあるとみている。2020年東京五輪・パラリンピック関連工事などに伴う労働者需要の増加を受け、さらに有力な資金源になっていたとみて調べる。
組織犯罪対策4課によると、逮捕容疑は昨年10月~今年2月、厚生労働大臣の許可を得ずに、JR新小岩駅(東京都葛飾区)の自由通路整備など二つの工事を請け負った建設会社に計59回、労働者のべ85人を派遣するなどしたというもの。同課は広尾容疑者らが昨年1月~今年3月、少なくとも約6千万円の利益を得ていたとみている。